臨時増刊 貨車表記
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前回ワム90000を製作した時、レタリングは国鉄表記を忠実に再現したデカール(水シールとよばれているもの)を自作した。国鉄の表記は字体が決められており、それをCADでなぞったものであった。
このやり方は、アルプス電気の熱転写式プリンターと白のインクリボンが必要であり、データ作成・印刷とも莫大な時間がかかる。また、アルプス電気は熱転写式のプリンターの製造を中止しており、サプライ品も入手しにくい。 そこで、国鉄表記に似たような汎用レタリングを選択することで作業効率を上げることにした。新しいやり方だと思うので紹介しようと思う。 CADにしろ、プリンターにしろ、メーカーの参入・撤退で損をするのはいつもユーザーである。 |
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数年前に、ローランド・ディージー社の「STIKA」を購入した。これは街の文房具屋さんやカーショップで販売されている「カッティングシート」をデータに応じて切りぬく機械であり、刃物のついたプロッターのようなものである。
イラストレーター程ではないが、純正品の「カットスタジオ」というドローイングソフトがついており、このソフトを使うことで簡単に切り抜き文字やデザインシートを作成できる。 |
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大きさはA3インクジェットプリンンターよりもやや小さいぐらいで、写真左上に見える黒い小さな部品にカッターがついており、これが左右に動き、さらには用紙送り装置が前後し、カットを行う。
刃高の調整を行うことでシールと台紙を微妙に切り分けることが可能である。 |
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国鉄表記は2003年11月に詳細を掲載しているが、特徴をとらえれば汎用レタリングでも十分にそれらしく見える。
国鉄表記の一番大きな特徴は「横長である」ということだ。縦横比1:1.2ぐらいの割合でよいと思う。そして丸系の数字は間隔を詰める。フォントはDF丸ゴシックPROをさらに太くして使用した。私は手抜きで漢字・カタカナと数字を一緒に作成してしまったが、漢字・カタカナと数字は別で作成して組み合わせたほうがよりそれらしくなる。 手を抜いたため、「形式トム50000」の数字部分の間隔が空きすぎてしまっている。 データの作成が終わったらすぐにカッティングシートをセットしてカットする。 |
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白台紙に白のカッティングなのでわかりにくいが、写真はカットした後、余分なシール部分をはがしたところである。これの上から透明なアプリケーションシートを張り付けて対象物に張り付ける。(右上写真)。さらにこれを貨車へ張り付ける(下左) | |
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位置決めして貼り付けたらアプリケーションシートをはがして完成である。
これなら量産が楽な上、それなりに耐久性もあり、張替が簡単だ。驚くべきことはSTIKAの性能で、「積」の漢字の「目」の横線間隔は0.5mmほどしかないにもかかわらず完璧に切り抜いている。カッターナイフで切り出したら一日かかるだろう。 で・・・完成である。 |
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やっぱり・・・手すりと札入れぐらいは付けてもよかったかも。
余談だが、実機のトム50000の最終番号はトム56789という嘘みたいな番号である。 このやり方を応用すると、ランボードの白線も簡単にできそうである。黒にしたい時もあれば白にしたい時もある。簡単に剥がすことができ、また作ることができる。 |
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