2012年9月 運転台車を作るB
残りの工作を続ける。

前回工作できなかった逆側の妻板を製作し、妻板補強アングルを取り付ける。材料は1×1×1.2アルミアングルである。2.0mm鍋ビスで妻板と共締めする。

さらに、妻板の補強アングルの上角を斜めに切り落とす。実機もなっているからそうしたが、この貨車はあくまで運転台車なのでズボンをひっかけたり、擦り傷を作ったりするアイテムはできるだけ角を落とすなり、排除するなりしたいと考えている。

妻板と底板

妻板ハンガー部分

妻板の底と、床板を締結するアングルは省略した。面倒だったこともあるが、数ミリ隙間が空いたので、この隙間を利用して石炭カスやホコリを落とすスペースとした。

この運転台車は下周りと上回りがそれぞれ独立しているので、強度の面で心配はいらない。座る場合には木箱を床板に設置するので、妻板には力がかからない。

実機の側板の中央は羽目板の開閉をするための柱がついているが、それらしく見せかける目的と、側板の補強を兼ねて真鍮チャンネル材を接着した。このスペースは設計の段階で設けておいた。チャンネル材は8mm幅で、羽目板の隙間は10mmなので、チャンネルの左右に1mmずつ隙間があく。これを目測で位置決めして接着した。

区名札入れなどもレーザーカットで発注してあったが、面倒なので取り付けを見合わせた。開放てこや手すり、ステップ等もすべて割愛。

はっきりいって貨車はレタリングが命で、これが決まっていれば、あとはどうにでもなる。

塗装前

塗装後

洗浄はブレーキクリーナーを利用した。ジャバジャバ吹き付け、エアで飛ばす。このぐらいの大きなスケールになると、ホコリやごみは気にならないのでガンガンいく。吹き付けでなくても刷毛塗りでも感じが出ると思う。

塗料は8620、ワム90000でもおなじみの大日本塗料・サンデーペイントエナメル・艶消し黒を使用した。まとめ買いでかなりの在庫があるので、古いものを10分ぐらい撹拌してから吹き付けを開始した。

毎度の塗装で、板の端面を塗り残し、そこからさびが発生するという経験を積んでいるので、最初に妻板・側板の端面から吹き付け、次に裏のアングルを吹き付け、最後に全体にガンガン吹き付けた。プライマーやプラサフは使用しなかった。どうせ運転台車なので塗装ははげはげになることは目に見えている。

レタリングはカッティングシートでつくりはがれたらまたはり付けることで対応する。ちょうど一本を使い終わって塗装は完了した。

最後に、長年放置していたワム90000の下周りと合体して貨車としての体裁を確認する。

この後、下周りを全分解し、足ステップをつけるための追加加工、さらには軸動ポンプの設置と持っていきたいが、ひとまず工作はこれで完了とする。

下回り側の床板の端面がさびていて茶色いランボードのようになっているが、これは意図したものではなく、塗り残しで単に錆びただけである。

カッティングマシンはすでに別用途で購入しているが、箱からマシンを出して設置するスペースがないため、2年前に購入して一度も使っていない。

それに、データ作成はかなり大変だろう。日ごろからパソコンに座る時間が長いので、CADでデータ作成はなかなかやる気になれない。


塗装作業の後、乾燥のためしばらく自宅駐車場に放置していたが、私の自宅裏は遊歩道になっており、いろんな人が行き来する。
上回りの段階ではだれも見向きもしなかったが、下周りと合体したとたん、いろいろな人が話しかけてくれた。特に、小さい子供は興味いっぱいのようである。

鉄道車両というのは魅力的なもののようだ。


さいごに余談だが、珍しいプラモデルを手に入れたので紹介しようと思う。それは以下である。
デッケルFP1万能フライス盤のプラモデルである。スケールは1/12だが、各部はすべて可動する。メーカーはファインモールドであり、航空機を中心とした新参国産模型メーカーである。細かいモールドは業界ぴか一であり、それがそのまま社名になっている。
写真はこのキットの親ねじだが、プラ素材を変更しているばかりでなく、ちゃんと親ねじになっているところが憎い。ベベルギアは直径5mmほどしかない。

プラモデルをきっかけとして初めて知ったデッケルFP1万能フライス盤だが、本気で実物がほしいと思った。モデルエンジニアにはもってこいのフライス盤である。ステージはすべて傾斜・旋回可能であり、立方体工作物の5面加工が可能である。見た目もまるで戦艦のようだ。さすがはドイツ製である。

縮尺は1/12なので、タミヤのホンダRC166か、RA273のキットの横に並べるとカッコ良さそうである。今回は余談にもかかわらず、一番大きな写真を二枚も載せてしまった!