2014年8月 給水配管A
給水配管の工作を続ける。配管は外径6mm内径5mmの銅管を使っているが、これを曲げるのはかなりむずかしいことが判明したため、動輪舎のL型継ぎ手を使うことにした。

工作も簡単になり、しかもロストワックス一体成型なのでロウ付け中にばらばらになることもない。動輪舎らしい気の利いた商品だと思う。ついでにT型継ぎ手も購入した。これで設計目標どおりの寸法で配管をセットできる。

私は銅管外径ぎりぎりのサイズを選択した。単に見栄えのためである。

動輪舎製L継ぎ手、T継ぎ手

後端張〜軸動ポンプ用給水配管)

動輪舎のL継ぎ手を6mmに拡大して銀ロウ付けする。工作自体はまったく難しくないのだが、図面が大変だった。とにかく台枠内にスペースがない。エキセントリックの運動、灰箱はもとよりブレーキ梁やらなにやら障害が多いのである。棒台枠は台枠側面からのアクセスが容易であり、また上下幅も板台枠ほどではないのでライブスチームでは棒台枠のほうが有利だろう。

微妙な寸法を要求されたので、動輪舎の継ぎ手を使ったのは結果として大正解であった。

軸動ポンプとの接続 軸箱と板バネの間を通している。

水分配箱へ接続

右穴はインジェクター用。下面にはPT1/8タップ

右は軸動ポンプ給水配管。左はリターン用配管。

6mm(内径5mm)銅配管は近所のホームセンターで手に入るのでこれを多用した。テンダーから接続ホースを経て水分配箱に入り、そこから銅配管で軸動ポンプの下からポンプに入る。そしてポンプ上から排出された水は再び運転台床下まで導かれる。

さらにリターンバルブを介して逆支弁へつながる。

写真はリターンバルブと逆支弁である。リターンバルブからテンダーへ戻す配管はまだ製作できていないが、ようやく軸動ポンプ系統が形になった。

リターンバルブのハンドルはついていないが、T継ぎ手の位置を調整して運転台床板の上にハンドルが位置するようにセットしてある。

機関車本体に軸動ポンプを設置する場合は熱の問題で銅管を使わざるを得ないので、工作がとても面倒である。加えて国鉄型は配管が長くなりがちなのでこの点でもテンダーに軸動ポンプを設置するメリットがある。ハンドポンプは熱の影響を受けないので樹脂のホースを使ってみようと思う。


水分配箱は後端張の左右に設置している。進行方向左(公式側)はインジェクターと軸動ポンプ、進行方向右はハンドポンプと軸動ポンプリターンである。

材料は真鍮角棒20×20だが、この端面を使用してステップを取り付けた。目隠しもかねていてうまくいったと思っている。上の写真で分配箱端面に開いている穴はステップ取付穴である。2×2なべネジで固定される。

踏み板はセントラル鉄道から10年以上前に譲っていただいたものを使用した。
ステップは真鍮1.6mmの板を両面テープで張り合わせて左右同時に切出して加工した。形状はセントラル鉄道の実寸大図面を参照にした。がらがらだった運転室下スペースがにぎやかになるのは楽しいものである。
さて、ライブを継続していく上でまたひとつ大きな問題が発生した。

いつも御世話になっていた非鉄金属の販売会社がお店をたたんでしまったのである。

真鍮、アルミ、砲金、銅をはじめSK材までを切り売りしていただける大変ありがたい存在だった。工作する側は余計な在庫を持つ必要がなかった。もちろん、ネットでは切り売りしていただけるお店はあるが実際に素材を手にとって購入できるメリットは大変大きかった。

鋳物屋が撤退して以来、私は鋳物を発注していない。しばらくは鋳物屋を探していたが、当面車輪を削る仕事がないのでそのままになっている。

材料屋がなくなるということも工作が遠くなる理由である。いつもは「ム!真鍮丸棒がなくなったな。買いに行くか・・・」と30分後には材料を手にしていたのである。

私にとって材料屋と鋳物屋がなくなったということは両足をもがれたぐらいの負担になる。

ライブスチームの工作は規模は違えど昭和30年代の機械加工業と同じことをやっているため、それをサポートする業態も当然縮小していく。まったく困ったことである。