2011年11月 煙室C
工作が毎回飛んで申し訳ないが、できることからやらなければいつまでたっても完成しないのでご了承いただきたい。

機関車の基幹部品は配管を除いてほとんど完成しているので、面倒な装飾品の工作が中心になる。作っている本人が退屈なので見ている人はもっと退屈だろう。ライブは電動で走る蒸気機関車ではないので、基幹部品が完成してしまうと後はどうでもよいパーツなのである。

とはいってもディテールを省略しすぎてはこれは魅力が半減なのでやらざるを得ない。最低限必要な部品はつけておかなければ・・・

煙室はしばらく工作から離れていたが、ユニットとして完成させるには一番手っ取り早いと感じたので集中的に進める。煙室戸の工作は完了しているので、煙室の装飾が中心となる。


ハンドレールノブは動輪舎から販売されているが、セントラルのものもよくできているのでこれを利用する。特に、煙室前面のハンドレールはとても工夫されていて納得できるものだった。

通常ハンドレールノブはネジ部分と一体化しているが、煙室前面は裏からナット止めすることが困難である。セントラル鉄道はねじをスタッドとして煙室側へ埋め込み、適正な角度でハンドレールノブを固定できるようになっていた。とても工夫されていると思う。

煙室側へ穴あけ・タップ立てを行ったが、この穴の位置は煙室裏側との境界線に位置するため、慎重に穴あけしなければドリルが煙室裏側へ逃げてしまう。

ハンドレールそのものは手持ち在庫のステンレス4mm丸棒を焼きなましてからチャックのRを利用して手で曲げた。ハンドレールの半径よりもかなり小さいのだが、応力による戻り寸法が理想的になりそうだったので・・・・試してみた。結果はかなり良いものになった。想定よりも半径が小さいので手で広げたのち、一番よいところ以外をカットする。

Rになった分、ハンドレールノブの穴を通りにくくなるので、4.1mmのリーマを使って表裏からテーパー状にしておいた。ガバガバになってしまったが!

前照灯台座と干渉した(想定済み)のでエンドミルで逃げを加工し取付。
まあ私の技術ではこの程度で限界だろう。実機はハンドレールの端面をR加工しているが、ヤスリで簡単に削れないのでそのままにした。

実機の前照灯台座は三角の補強板が左右に分かれるので干渉しないようになっている。私は面倒なのでこのような形状にした。


さて、煙室の工作を遅らせていた理由は反射板ハンドル台座の工作があったからだ。

機関車はデフ付になるのではっきりいって見えない可能性が高い部品だが、デフは取り外し式にするので何としても付けておきたかった。煙室の部品はアルミで作られているのでロウ付けが使えず、おまけに熱の問題があるので接着剤も使えない。機械加工でねじ止めする以外方法がない。

反射板の軸は煙室の中心線よりも20mmほど下にオフセットしているので、煙室接合面の加工はかなり難しい。一番簡単な方法は丸棒を貫通させることだが、こんな加工をすると煙管掃除ができなくなる。

フライス盤で加工すれば難しくないが、ロータリーテーブルを持っていないので、面板作業に切り替えた。実は面板作業はこれが初めてである。砂まき管元台座も同じような加工になるので、早かれ遅かれ経験しなくてはならない。

3×3センチのアングルを切りだして台座とする。オフセットさせて面板に取り付ける。寸法はきっちり出せないので近似値にした。丸棒にはM2.6のねじを切ってアングルと固定する。細ねじだったので途中で折れることも心配したが結果はオーライだった。

セットアップが決まれば難しくない加工だったが、切削に大変時間がかかった。同じ作業を二度行い、左右を作った。

さらに三ッ爪で段付加工を行い、指定寸法まで追い込む。煙室側にはセンタドリルで下穴をあけてから2.6タップを立てる。アングル固定の為に使用したのねじは2.6mmの馬鹿穴に広げて、真鍮ねじで貫通固定する。

フィットしていれば釘の頭をはんだ付けして完成。非公式側にはハンドルがつくので真鍮板から切り出す。ハンドルは可動するようにした。

完成してから気がついたが、実機のリベットは十字配置ではなく、正方配置だった・・・・。がっくり