2011年10月 運転室C・ランボードD

しばらく遠回りしてしまったが、運転室の追加加工を行う。
最初は側窓の軒である。実機は曲線を描いた優雅なものや梅小路の8630のようにプレスで加工したと思われるものもある。一方、平板を加工した簡素な形状の機関車もある。

時間もあまりないので平板を曲げて加工した。形状は細長い台形を糸のこで切り出し、両端の三角を直角に折り曲げる。

問題は取り付けで、運転室側板は珍しく純正品を使ったため、二枚の窓の間隔が狭く非常にタイトになる。実機では窓枠よりはるかに大きな軒がついているが、このキットの側板ではこのようにすることは無理と判断した。

そこで窓枠パーツを基準に軒を加工し、窓枠と軒をはんだ付けした後に、窓枠と軒をいっぺんに側板へ取り付けた。側板との締結は構造用接着剤を使用した。

しかし、構造用接着剤は耐用年数をはるかに超えており、接着強度は大分落ちているようである。接着剤が固まるまでかなりの時間がかかった。

 

さらに、札入をはんだ付けした。ずいぶん前の更新で仮組した写真を掲載したが、レーザーでカットした札入パーツを二枚重ねて釘で留めてハンダ付けする。
こうすることで実際に札をいれることができる。ま、入れないだろうが!錆がすぐに発生するのではんだメッキを広範囲に行った。

写真はパーツが付け終わった側板である。ナンバープレートの穴あけはしていたが、M1.7のタップを立てていなかったので、ついでに加工した。M1.7のタップをたてるのはかなり緊張する。

ナンバープレートを取り付けて写真を撮りたかったが、運転室パーツは数日で赤錆が発生するので取り付けは塗装後に行う。


続いて、後板である。後板は新規設計で起こしたが、窓枠パーツは純正品を使う。しかし、窓自体はパーツに含まれていなかったので、こちらも新規で起こした。

表側は純正品である。この写真もさびがひどい。裏はレーザーカットで発注した。どちらも構造用接着剤を使用している。

左右の側窓が写っているが、こちらは開閉可能であるため、塗装を終えてガラスを入れるまではねじ止め固定になる。

記事にしてしまうとこれだけだが、実際に作業する際には工作中断中に発生した錆除去に大半の時間が割かれている。また予想通りだったが鉄板をフラックスではんだ付けすると、はんだが回りきらなかった部分から強烈な錆が発生し、チャンネル材との隙間が膨張してはんだが外れる事件が続出した。

このような場合は深い錆を除去したのちにはんだメッキしなければならず、時間がとてもかかってしまうのである。

さすがというか・・・亜鉛メッキ鋼板は同じ作業をしても錆にくい。写真でも灰色の鉄板は生鉄板、淡いグレーは亜鉛メッキ鋼板、黒い鉄板は黒皮鉄板である。同じ時期に組み立てても錆の状況は明白に異なる。

また、これらの工作を終えた後、運転室床板と締結した。これまでの写真は乗せていただけである。簡単に外すことができるよう、アルミアングルとM3ねじ4本で固定した。

運転室は簡単に外せるようにしておいたほうがよい。なぜなら、弁の固着が発生した時に工具を楽に使えるようになるからである。


さらに、フロントエンドにも多数の追加加工を行った。最初は左右の台枠の真ん中に位置するランボードである。(下写真赤矢印参照)
このランボードはこれまで報告してきたランボード加工の最後のパーツになる。最後になった理由は取り付けをするためにいろいろな部品を外さなければならないからである。

写真では解りにくいかもしれないが、前端梁と先台車中心ピン案内板を橋渡しして取り付ける。そのため中心ピン案内板には板厚分、段付加工されている。

これらの二つのパーツは同時に外すことができない。理由は機関車前部の荷重を受けるところがなくなってしまうからである。
手順としては、先に前端梁を角材等で支えて先台車に荷重をかけないようにしておき、先台車バネ、バネ釣、を外して中心ピン案内板をはずして加工する。これらを取り付けてから前端梁を取り外して加工する。

ランボードパーツは他のランボードと同様、レーザーカットにより切り出し・穴開け加工は完了している。


とりあえず、周辺部品で邪魔になる煙室・煙室台を取り外し、ランボードを外し、前端梁を適当な木材で持ち上げた。
板ばね、バネ釣、先台車中心ピン案内を外し、左右3か所ずつM3キャップねじを緩めて取り外す。

ランボードのねじ穴を写しあけてタップ加工する。

加工を終えた中心ピン案内板は再度取付ける。そしていったんバネ・バネ釣を組んだ上で、次は前端梁を取り外す。こちらはアングル取り付けだけなので簡単に外すことができる。
下写真は前端梁を取り外したところを撮影したものである。先台車の受ける荷重がどのようにバネに伝わるかよくわかる写真である。

非常にメカニカルで萌える写真だ。この工作も大量の錆と戦わなくてはならなかった。バネ釣は銀ロウ付けしているので錆びやすいパーツだ。

前端梁を外したついでに開放てこ受けの穴にタップをたて、エアホース(テンダーの工作記を参照)取り付け穴をあけ、さらに左右のランボード@を外したついでにフロントデッキ手すりを取り付けた。

このパーツは当初自作する予定だったが、切削が非常にめんどうなので動輪舎から購入した。スケールは異なるが、4mm程度長いだけなので違和感はない。ただ、自作を前提としてランボードに穴あけしていたため、穴位置が合わず、狭い面積にたくさんの穴が開くことになってしまった。

今月は結構工作ができている。

余談だが、ホームページの工作記を一月分作成するにはどの程度時間がかかるのか計ってみた。本ページで約3時間かかった。これには写真の加工と追加写真の撮影も含まれている。テキストの作成にはそれほど時間がかからないが、テキストによる説明では面倒な場合は追加で写真を撮影する。写真を撮影するにはそれなりに部品を外したりしなくてはならず、時間がかかるのである。

ホームページの製作には相変わらずマイクロソフトフロントページを使っているが、すでにこのソフトはサポートが終わっており、それをウインドウズ7で動かしているためバグが多い。いい加減ソフトを買い替える必要がある。

「独り言」の「経済優先か、人命優先か」のテキストがすべて失われてしまっているが、これはバグによるもので、セル内部が一定の操作を行うとジャンプして消去されてしまうのである。

気がつかずにアップロードすると情報を取り戻すことはできなくなってしまう。このページもバグが発生し、運転室の記事がすぐに消去されてしまうという問題と戦わなくてはならなかった。