2008年3月 運転室@

すっかりご無沙汰していたが、少し工作を進めたので報告しようと思う。
昨年7月に開業して以来、事実上始めての更新である。ようやく自分の仕事のペースがつかめてきたが、本年の10月以降、再び工作ができなくなることが既に予定されているので、今後の更新も当分難しいことは間違いなさそうである。

ボイラーは既に届いており、火を入れようと思えばできるのだが、銀ロウ付けボイラーと呼ぶにはあまりに多用されている高温ハンダに若干の不安を抱えている。
設計上、仮にすべてを高温ハンダでボイラーを作ったとしても爆発することはないが、高温ハンダには鉛が入っているため長期的に見ると腐食の問題がある。せっかく大枚はたいたメーカー製の機関車なので長く楽しみたいものである。

とりあえず、ボイラーに関係のない工作を進めることしかできないので運転室を作ることにした。


運転室のパーツは屋根(曲げ加工まで終わっている)、レーザーカットの側面板、前面板、後面板で構成される。
これらのパーツのうち、前面板と後面板を設計変更した。淡いグレーの板は亜鉛メッキ処理された通称「ボンデ」で、今回設計変更したパーツである。ほとんどのパーツを作り直したことがお分かりいただけると思う。

8620は狭火室なので、火室部分が絞ってあり、運転室を組み立ててしまうと取り付けができなくなる。セントラル鉄道の純正前面板は左右で分割されており、中央で繋いでネジ止め処理するようになっていた。私は左右一体として造り、すその絞り部分は写真のように直角三角形の形状のパーツをネジ止めするようにした。運転室前面の上部はライブでよく目に付くところである。これにより完成した運転室をスッポリ簡単に取り外すことができる。

運転室前面板・後面板パーツ

以前連載で報告したが前面板はボイラー中心高とずれており設計上問題がある。その修正ついでに多少の個性を持たせることにした。
運転席側は花輪線の機関車の仕様にあわせて前面扉の形状を変更し、旋回窓を表現する。(写真右上)まるでエッチングパーツのようである。
助手席側前面窓は開閉可能にする。

そして、構成パーツはいつでも分解して板の状態に復元できるようにする。
なぜなら、運転室前板はボイラー周りの装飾をする際に追加加工で穴あけが必要となるからである。前面板と側面板はボルトナットでアングルを介して締結する。この工作はT−5の復活と同じ工作になる。

屋根は運転の都合を考え一部をカットする。運転しないときには蓋をできるようにしておく。開閉可能にするのは工作が大変である上、運転中の見栄えがあまりよいとは思えないからである。
屋根のカットをしなければ一番工作が簡単になるので、理想的であるが運転は大変なので避けたい。

側面板は純正パーツをそのまま使用する。写真上左が純正パーツである。写真はちょっとだけ加工を進めたところであるが、左右の穴位置は一致しているので、最初に基準穴を開けて真鍮クギを通してカシメ止めし、同時に穴あけ加工する。
本物のハチロクはリベットで組み立てられているので、ビスや真鍮クギを使用してそのイメージに近づける。

上右のナンバープレート(2002年10月に制作したもの)は四隅の穴あけ加工を行なった。煙室戸のプレートと同様に取り外しが可能になる。側面板にタップを立てて精密六角ビスで固定する。

上下の写真は「区名札入れ」である。ステンレス1.0mmの板を写真のようにレーザーカットし、重ね合わせて側面板に貼り付ける。下板になるパーツの寸法を微妙に変えることで実際に「区名札」を入れることができるようにしておいた。下右写真は仮固定した区名札入れである。写真のように隙間ができる。

側面板の穴あけ加工が全て終わったら一気に組み立てる予定。


工作は少しずつ進行していたが、ホームページにアップするほどのことではなったので更新を見送っていた。追加加工したところは次の部分である。決してライブへの情熱が冷めたわけではない。
@ 1/9.3スケール前照灯制作→取付台座制作→煙室へ取付(2006年4月の状態から完成まで)
A 運転室床板ステーを加工・取付(2006年9月の改良型を取付)
B コッペル用ボイラーの図面作成
C 新プロジェクト用の動輪木型制作と鋳物依頼
D 新プロジェクト用動輪の切削加工→完成

 

まあ、これだけのろのろやっていながらまた仕掛け品を作るのか・・・と呆れないでね。

新プロジェクトの機関車は部品の加工すら全くしていないものの、主要パーツがすべてそろっている。主要パーツとはボイラー、エンジン、鋳物である。この3つが揃っているということは事実上、80%完成していることになるのである。

しかし、このプロジェクトは当分(2〜3年)はアップしないだろう。10月以降、間違いなく工作ができなくなる上、それまでに完成させることは不可能だからである。