臨時増刊 エンジンカバー

本当はもっと先に工作しておかなければならなかったところである。ちょうどこの工作をやらなくてはならない時期(今年1月〜8月)に工作を休業しなくてはならなかったため遅れてしまった。

工作を休業しなくてはならないときに有効なのが外注である。予め加工図面だけ作成しておき(図面の作成だけならどこでもできる)加工業者に外注しておく。実際に昨年の10月から今年8月までは全く工作をしなかった。その間に外注しておいたのがエンジンカバーである。

コッペルの経験上、エンジンカバーに使う素材は0.6mm鉄板で行こうかと考えていたが、ワンタッチ取り外しを可能にするため、1.0mmの板を曲げ加工して制作することにした。

薄板を使用すると、変形しやすく曲げ部分と直線部分にネジ止めが必要になる。

図面は曲げ加工の際に問題になる板の伸びを計算しなくてはならなかったが、工作自体は行なわないので非常に簡単である。


加工業者には写真のようなものを外注した。

↑表

 

←裏側

 

外注した段階でリベットの穴位置、空気弁カバーの取り付け位置、ドレンコックの穴、のぞき穴カバー取り付け位置等、取付するために必要な罫書きも全て指定しておいた。工作する時間がなければ外注に時間をかければよい。
できたものをエンジンにかぶせてみると多少曲げ角度の誤差があったのでそれを修正した。リベットは真鍮クギの頭を使い、裏から半田付けした。

エンジンへの取り付けはダミーリベットのうちの2個を2.3mmネジに変更し、エンジン本体にタップをたてて取り付けた。下左の写真で黒ビスが見えるところが固定位置である。カバーはこの2本の2.3mmボルトのみで固定される。
そして、のぞき穴、空気弁カバーは板の厚みを利用してネジ止めする。ネジの突き出るところにはザグリ加工をしておく。(下右)

エンジンとカバーの固定

ネジの逃げ加工

のぞき穴カバーは4.5mmの鉄板をレーザーで外注したものを使用した。
空気弁カバーはキットの純正品を使う。実機の空気弁カバーにはアミが付いているので、家にあったボロボロの茶漉しをはさみで切って適当にはめ込んだ。茶漉しは湾曲しているのでひずみが出てしまうが、いずれにせよ小さく切った網は対角線に動いてしまうので正確に切断することはムリである。はんだ等で固定してやるとうまく行くかもしれないが面倒なので・・・・

のぞき穴蓋は4.5mmの鉄板をレーザーカットしておいたのでヤスリで仕上げた。キットでは4.0mm真鍮板から切り出さなくてはならない。

網目が変形してしまいます

エンジンカバー完成

面倒だったのは楕円のシリンダー点検ふたである。まずこの形に正確に切り出すのが難しい。エンジンカバーと同じ板厚で点検蓋を抜いてもらったが1.0mmでは板厚が厚過ぎるのでこれを0.6mm鉄板上に置いて形状を罫書きした。

後は罫書きにそって糸鋸とヤスリで仕上げた。それでも形がややいびつである。点検蓋には開閉用のハンドルが付くが、1.5mmの真鍮線の在庫がなかったので先送りにする。ま、なくてもいいんじゃないかな。