2005年10月 第15回頒布 ランボード−A
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前回の更新時はちょうど設計を終えて外注したところだった。ランボードの下段が出来あがってきたので加工した。 なお、ランボード上段はランボード下段および運転台床板の取り付けを行なった後に設計・加工する。これについては次回以降に紹介する予定。 |
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まずは、ランボードステーBから加工した。前回作り上げた図面をもとに罫書き、穴あけを行なう。 | |
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ステーBは台枠上面と段加工をあわせる | ランボードステーB |
ランボードステーBは唯一、台枠の取付面に0.5mmの段つき加工が行なわれており、正確に取り付けできるようになっている。機関車前側から見た形状も複雑である。動輪・ロッド・エアタンクの逃げが加工されている。とはいってもキットにエアタンクは入っていない。 続いてランボードステーAおよび運転室床板ステーの取付である。
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ランボードステーA | 運転室床板ステー |
ランボードステーAはバルブピンドルガイドすれすれに取り付けられる。ランボードステーBとはかなり距離があるが、ステーAとステーBのあいだにはモーションプレートがあり、これもランボードステーをかねているので問題はない。 そして上右は運転台床板ステーである。レーザーカットにより加工されている。セントラルの説明書では4mmの台枠穴にM3のボルトナットを使用して現物あわせで位置決めをするように指定してあったが、CAD図面にて28.5mmの隙間が空くことを確認しているのでM4のボルトナットを使用した。 |
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さて、ランボードステー@についてだが、このステーは前端梁からランボードエプロン部分のR加工を経て取り付けられる。非常に精度が必要な加工である。純正のエプロン部分(今後ランボード@とする)は、前端梁との取り付けネジ穴は加工済みになっており、前端梁側の調整は不可能になっている。 そして、前端梁とランボード@の取付穴を基準にしてランボードステーの位置決めをすると、下左の図面の位置になってしまう。 |
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![]() 純正ランボードを使用した場合の位置 |
![]() 理想的な取付穴位置 |
黄線はランボードステー@、青は台枠穴で、赤破線はM3のネジ頭である。このようにステー@の前面板部分にネジ頭が干渉してしまい、取付ができなくなってしまうのである。説明書では「ランボード@のRを手直ししてください」となっているが、このR加工こそが難しい。簡単に手直しなどできない。 取付方法が他にないわけでもないが、これがきっかけで網目板に変更することにしたのである。 |
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プレスの網目板はエッチングによる網目板と異なり、裏側にもパターンがある。そのため、罫書き・穴あけは難しい。ポンチを打たなければならないところがプレスラインの側面になることもある。 下図面はランボードの上面図である。ランボードBが下段の一番後ろ側になる。ランボードAとBはつなげても良かったが、エンジンの真上に来るため、スライドバルブの調整時を考慮して分割した。 |
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ランボード@ ランボードA ランボードB |
取付は、一番最初にランボードB、そしてランボード@、最後にランボードAを取り付け、長さが微妙に狂った場合はランボード@との接点で調整する。 ランボードBの角長穴はリフティングアームの逃げ穴である。逆転軸受はM3のネジ2本で固定されるが、この二本のうち一本はモーションプレートと友締めになる。残りのもう一本はランボードをはさんでボルトナット固定になる。 逆転軸受けは左右同じ高さ、同じ位置に固定しければスムーズに回転しなくなるので、できるだけ同じ位置になるように加工しなくてはならない。 |
で、ようやく加工に入る。 ランボードの加工の前に逆転軸受けの加工をおこなった。 しかし、このパーツは鋳物でできており、さらに逆転軸受け穴が加工されてしまっているので、先に取付穴をあけて、最後に軸受けの穴加工をすることができない。やむを得ず、左右の軸受け穴を固定するジグを作り、ロックタイトで接着して同時に加工することにした。 |
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軸受け穴を基準にして張りあわせ | ヤスリで整形して罫書き・穴あけ |
このような加工はフライス盤を使うと正確で楽だが、1月に購入したフライス盤は200Vの引き込みが終わっておらず使用できない。しかも使用の前に配電盤の位置を変更しなくてはならないので当分先になりそうだ。
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ランボードの取付穴は特に気を使う必要もなく穴あけしてタップを立てる。ネジは動輪舎のM2.3六角ネジを使った。動輪舎のネジは本当に便利で役にたつ。 | |
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モーションプレートに罫書き・穴あけ |
ステーに穴を移しあける |
最後に順番に取り付けて確認する。 | |
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フロントデッキエプロン |
ランボード下段完成 |
網目がオーバースケールになることを心配したが、取り付けてみたらそれほど気にならなかった。前回りがかなり実物の印象に近づいている。はやくカプラーが欲しいところだが、メーカーに確認したら「木型が破損してしまって時間がかかる」という回答だった。 この機関車は8.4分の1ではないので動輪舎製を使用するとかなりオーバースケールになる。エアーホースも若干加工する必要がありそうだ。 |
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