2005年6月 第10回頒布 バルブギア−@
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ずいぶん久しぶりの更新となったが、残念ながら今回の更新は単発である。休眠と発表してもアクセスしていただいていることにとても感動している。 工作は比較的簡単で、且つ面倒くさい作業を中心に行なった。 キットは機械加工済みなので、バルブギアの工作は非常に簡単で、単にブッシュを入れて組み立てるだけである。ところどころ割りピン用の穴あけをしなくてはならないぐらいだ。 工作とはとてもいえないが、何もアップロードしないよりはましだろう。 以下紹介する。 |
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パーツ自体は完全加工済みなのでひたすらブッシュを圧入する。ブッシュを入れる前に、不完全にリーマを通しておくと丁度よいぐらいの硬さになる。全部通してしまうとスカスカになってしまうので注意をする。 ブッシュはバイスに真鍮のあて板はさんでロッドに傷がつかないようにしておき、それから締め付ける。 |
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ユニオンリンク |
リターンクランク |
右上はリターンクランクである。こちらはM3キャップボルトによりクランクピンに締め付ける構造になっている。キットではあらかじめクランクパーツにはガイド穴が開いているので、このうち切開してある片側にネジを切り、もう片方はバカ穴加工する。 このように最初から穴が開いているパーツを水平直角を合わせてバイスに咥えるのは難しい。私は穴径にぴったりの丸棒を差し込んでボール盤にチャックし、その後バイスで咥えるようにしている。こうすることで平行度・直角度がだせることになる。 写真は加工後のものである。たったこれだけの工作でもブランクがあると効率のよい作業手順を忘れてしまっていて時間がかかる。 |
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コンビネーションレバーピン止め |
コンビネーションレバー |
上写真はコンビネーションレバーのパーツである。ピン止めはそれぞれM2のネジを切り、芋ネジを植え込む。このピン止めの高さはコンビネーションレバーのフォークの隙間と一致している。これにより、コンビネーションレバーの外側からフランジのないピンを差し込んでも芋ネジで固定されて抜けないようになる。 加工は難しくないが面倒な作業である。M2芋ネジを回すためのヘキサゴンレンチは過去数回工具商から購入しているが、使うときになると、きまってなくなってしまっている不思議な工具のひとつである。 一方、コンビネーションレバー本体は写真のとおり完璧に加工されているので、やることといえば写真で見られる黒いダミービスを植え込むぐらいしかない。 |
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次に、エキセントリックロッドである。完全加工済みでブッシュまで打ち込まれている。リターンクランクとの結合は菊ナットによる締め込み式である。できばえはさすが製品、完璧だ。 油壺は指定がなかった。キットにはエキセントリックロッド用の油壺は入っていないので、まずはこれから制作した。メインロッドとサイドロッドには4mm角の油壺が付いていた。エキセントリックロッド油壺はこれより小さめにして3mm角にした。 |
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写真では小さいものに見えないかもしれないが、とても小さな部品である。作っている途中でイヤになってきたが、それなりのできばえになった。高さをもう少し低くしたほうがよかったかもしれない。ねじ込むときにペンチの傷をつけてしまったので、小さな角ヤスリで磨いておいた。
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再びリターンクランクを加工する。リターンクランクにはエキセントリックロッドを取り付けるためのピンを取り付けなければならない。リターンクランクはメインロッドの外側に位置するので、裏にピンが突き出していてはメインロッド表側と干渉してしまう。 セントラル鉄道の説明書を読むと、「リターンクランク裏側からナットで留めて、メインロッドと干渉しないように削る」と書いてあった。ロックタイトで留めてしまってもよいが、これはいつでもできるので、まずはナットで仮止めして干渉状況を調査することにした。
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エキセントリックロッド取り付けピン(裏より) |
メインロッドとリターンクランクのクリアランス |
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←リターンクランク、エキセントリックロッド |
写真はリターンクランクを裏から見たもので、削り終わったナットとピンである。ピンがナットに奥まっているが、これはピンを旋盤で削りすぎてしまったからである。ナットの厚みは2mmまで削らなければならなかった。削った側をクランク側にして締めこんでいる。ねじ山はピンを削りすぎたこともあって一山半ぐらいしかかかっていない。本組立のときにはロックタイトで固定しなければならない。 当初、リターンクランクの写真を撮るときにピンが見当たらず散々部品箱を探し回り、諦めてできるところからやろうとエキセントリックロッドを取り出したらピンがロッド側についていた。工作の進捗が遅いと部品を探すことも一苦労である。引越しのときに機構ごとに区分けして分かりやすくしたつもりでいたが、こんなことも起こる。 |
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