2004年4月 「事故報告」
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「ライブスチームに挑戦」は連載の最初のページに掲載しているとおり、「知識も技術もない若造がライブスチームに取り組むと一体どうなってしまうのか?」を実況することが目的なので、事故についても報告しておこうと思う。 結論から言えば、5体満足で今後も工作が続けられるし、生活に支障が出るような後遺症らしいものもない。 しかし、ちょっと間違えば大変なことになっていた。こういうところで私は非常に運がよいのだ。怪我したことは不幸だが、そこから得られる教訓を糧にして大きな事故を防ぐことができるならむしろ幸せというものだろう。 と、いつもどおりの能書きをたれる余裕すら出てきている。しかし衛生面から工作記はもう少し見送り。「KOPPEL PROJECT」は実際の工作の進行より未更新の工作記がだいぶ残っているので、忘れた頃に更新する予定。 |
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事故はたいていの場合人災で私の場合も例外ではなかった。作業は「やっちゃぁいけないことをやった」というだけの話である。 詳細について下記で報告するが、気持ちのよい話ではないので読みたくない人は読まないでいただきたい。どうせ・・・血の話だから。 それではいつもと趣向を変えて、「大怪我劇場」でもやりましょうか・・・日本昔話風に! |
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※よい子は絶対にまねをしないでください。 |
むかしむかし、あるところにリターンロッドの穴をリーマで修正しようとしているおじさんがいたとさ。 そんなある日、いつものようにハンドリーマをボール盤にセットして作業に入ったのでした。 「おー、今日も快削だねぇ」 とたいそう満足げに次々と作業を進めていたのでありました。 すると、川の上流のほうから・・・・おっと、まちがえた。回転するリーマの先から煙が出てきました。おじさんは最初の何本かを無難にクリヤーしたことで上機嫌になっておりそんなことにはお構いなくボール盤のレバーを進めました。 とつぜん、それはそれは恐ろしい事件がおきてしまいました。 なんと、おじさんが大好きな「ボール盤に咥えたハンドリーマ」がリターンロッドに咬みこみ、おじさんの手首を切り刻みながらプロペラのように回り始めたのです。。 おじさんは、手首がざくざく快削されるのを確認しながら、 「おっかぁー」 と叫んでみましたがだれもいません。 ボール盤のスイッチを切ったあとも手首からは滝のように血が流れ出ていたのでした。おじさんは指が付いていたことに内心感謝しながら、「はて・・・どうするか」と止血しながら考えてみました。 おじさんは山へ工作しに行くときも、川へ工作しに行くときも、いつも決まって愛用のチャンピオンのトレーナーをきていました。 しかしこんな日に限って半そでにパンツという誰が見ても情けない格好で山へ工作しに行ったのでした。おじさんはしばらく考えた後、救急車を呼ぶことにしました。おじさんは何度か止血している右手を弛めてみましたが血が止まる気配は一向にありません。 全身血まみれになりながらなんとかズボンをはきました。気が付くと床も電話も、なけなしの2万円をはたいて購入した「18900型機関車細図」も血まみれになっていることに気が付きました。 「こまったなぁ、こいつを売りとばしてテンダー図面が一緒になっている奴に買い換えようと思っていたのに・・・これじゃあだれもひきとってくれないなぁ・・・」などとこの際どうでも良いことに悩みながら救急車を迎えに家を出たのでした。 救急車は派手なサウンドを村に響かせながらやってきました。おじさんにとって初めて乗る救急車です。幸いにも村の衆が野次馬で集まってくることもなく救急車に乗り込むことができました。 救急車の中では止血作業を中心に行ないながら怪我の理由について取調べがおこなわれたのです。大体の質疑応答が行なわれた後で救急隊員がおじさんにたずねました。 「あんた・・・部屋ん中みたけど・・・なにつくってただね?」 おじさんは「ライブスチーム」と回答すると「らいぶすちーむって何だね?」とさらに聞かれることが目に見えていたので 「鉄道模型です」 と答えてみました。救急隊員の衆は興味を持っているようですっかり質問攻めにあってしまいました。大事故でもない限り、救急車は急いで病院へ突っ走ることはしません。すでに救急車の中はゆったりと時間が流れていたのでした。 おじさんは話をそらそうと 「ところで・・・この血に混じって鼻水みたいにビローンって伸びているのはなんだね?」 とたずねてみました。 「あ、それは血糊といってなぁ・・・おじさんぐらいよくべた付いていりゃぁ、健康な証拠だわな」 とほめられてしまいました。 めでたしめでたし・・・・?ではないね。 ※今回は血の海写真は掲載を見送りました。さすがにエグすぎます。どうしても見たい方はぜひ我が家へ遊びに来てください。 |
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