2004年1月 「図面製作」

2004年になって最初の製作記だが、残念ながら今月は工作ができなかった。

更新期日が近づくにつれて「今月は何も報告できないなぁ・・・」と考えていたが、よくよく思い出してみるとちゃんと8620も製作しているのである。

つまり「工作していない」ということだ。

ということで、今月なにをしていたか?を以下に報告したいと思う。加工していないので文章ばかりだが!


以前から何度も書いているが、本キットは図面らしい図面がない。まったくないわけではないのだが、「参考にする」ぐらいにしかならない。まずは部品を吟味してどのように加工するか考えなければならない。

困ったことに、図面どおり指定された穴あけを行うと部品がつかなかったりする。たとえば、設計図ではM4指定になっているので下穴を3.5mmであけたとする。すると、次の部品がM3を使って固定するようになっているのである。
また、穴の間隔を図面どおりにあけてしまうと、次の部品の穴間隔が図面と違っていることもある。
つまり、最初に部品をよく吟味して、写し開けしなくてはならないのか、あるいは罫書かなくてはならないのかというような基本的なところをしっかり把握しなくてはならない。

加工に失敗してしまうと、自分でその部品を作り直すか、あるいはメーカーにお願いし再製作してもらうしかなくなる。後者の場合はいつ部品が送られてくるか分からないので当然完成は遅れてしまう。加工前の確認作業こそが順調に工作を進めるコツになる。

先月シリンダーを加工したが、今後の加工はスライドバー、モーションプレート、クロスヘッド、などライブスチームの心臓部といえるところになる。そしてこれらの取付基準はシリンダー裏蓋である。

特にモーションプレートはスライドバー後端を固定し、さらにスライドバーの平行度・直角度をきっちりとらなければならない。当然だが、これらの基準になる台枠とモーションプレートを締結する穴あけ箇所は自分で割り出さなくてはならない。

まずは、これらの寸法を正確に測ることからはじめた。そして今月一ヶ月をかけて作り出した図面がこれである。

 

クロスヘッド周辺図面

図面はクロスヘッドを中心とした図面である。赤いパーツはシリンダー裏蓋とスライドバー。
シリンダー裏蓋とスライドバーの間には真鍮ブロック削りだしの取付台座がつく(ピンク線)。モーションプレートは右上の緑のパーツである。カシオペア座のような×は台枠締結ボルト位置で、まずはこの穴あけ位置を図面から求めた。

この穴は曲者で、裏からナット止めをするのだが、軸動ポンプ取付板と干渉してナット止めができなくなっていた。(2001年8月を参照)もう3年前ではないか!!なつかしいなぁ・・・。

さて、図面を眺めるといろいろおかしなところがあることに気づく。たとえば左上の台枠吸気穴。蒸気室の吸気穴と位置がずれている。(ピンクのダブルXX)ずれは1.5mmである。図面で確認した後、機関車を確認したが、ちゃんと??ずれていた。たぶん問題ないと思うが・・・。

そして特筆すべきはメインロッドの上力点位置である。(グレー線)よく見ていただきたい。スライドバー後端部でおもいっきり干渉している!!

実はこのトラブルは同頒布会員から情報を得ており、確認のためにロッドを動かしたのだ。こいつは困った問題だ。

ここを抜き出したのが下。

スライドバー修正加工

実際には板バネで車高が上下するので、数値を出しても意味がないが、車高が標準位置(車軸センターがシリンダー中心高と一致していると仮定して、且つクリアランスを0.5mmとった場合)でスライドバー後端の厚さは2.27mmしか残らない。

大丈夫かなぁ・・・。きれいに削るにはフライス盤が欲しいなあ・・・

などと考えて、また工作が遅れるのであった。まずは実際に組み立ててみて状況を把握する。車高調整である程度は回避できるはず・・・。


クモハ12

スハフ43

忘れていた!そういえば工作をちょっとだけしていた。時間を見つけてこつこつ・・。Nゲージオハ60系3両(スハニ・オハ・オハフ)と例のクモハである。

クモハは動力化予定。(写真の色が飛んでしまった)

上右写真はTR11がお店においてなかったので、TR40に振り替えてスハフ42になったオハフである。大変だったのはこちらである。まっさらの屋根にベンチレーターを貼り付けるのだが、その間隔と取付位置にリファレンスになるものが一切なく、結局CADでベンチレーター位置をけいがいたものをプリントアウトし、両面テープで屋根材に貼り付けて穴あけした。

おまけに屋根板が反っていたのでそれを修正しようとしたら「バキッ!」という音とともに真っ二つに割れた。

何で60系客車を作ったのか?理由はクモハ12を塗装するためだけに缶スプレーを3本も買ったのだが、塗料が余ってしまい、それを消費するためについでに作ったのである。計算どおり、きっちり空になった。

しかし、嫁さんの逆鱗に触れた。「もっともったいない」だそうだ。