2002年5月    第4回テンダー下回り−C担バネ・釣合梁

テンダー上回りの前板加工を残して、再び下回りに戻る。

3月の段階で車輪がついたので、さらに板バネ、イコライザーを組み込まなければならない。バネを組む前の状態では、車高が一番低い状態(シャコタン!)になっている。バネを組んで適正な車高がどこになるのか判断しなければならない。

セントラルのテンダーは、4点支持で実機と同様になっている。板バネはすべて加工済みで、穴あけ、面取り、順序、曲げ加工が終った状態で送られてくる。セロテープでまとめて束になっている。胴締も曲げ加工、ミーリング加工がされており、組立は非常に楽である。自作する場合にはかなり時間がかかるところだがキットは組立と穴あけだけ行えばよい。

送られてきた状態 組立済み
上左の写真は板バネと、胴締である。組立は簡単でコの字型の胴締にバネをはめ、ミーリング加工された蓋をして、中央にビスを通すだけである。右写真は組立が終ったところである。工具も必要ない。ネジは段つき加工された丸棒に締めこむ。この丸棒は軸箱の上に乗り、荷重を受け止める。
バネ吊とバネ釣り受けはそれぞれ加工が必要だが、精度が必要とされるところはすでに加工が済んでいる。バネ吊は5mmの丸棒に肉厚パイプをねじ込みロウ付けして組み立てる。バネ釣り受けは台枠に6mmの丸棒をボルトナット止めして、さらにミーリング加工されたバネ釣り受けカバーをビス止めする。
完成したバネ吊 穴あけ前のバネ吊(釣合梁)受けカバー

バネ吊は写真のように非常に簡単な構造である。接合部はタップを立ててねじ込み銀ロウ付けする。右は釣合梁受けカバー(大)とバネ吊受けカバー(小)である。すでにセンターはでているので、しかるべきサイズで穴あけする。凸部の真中にはバネ釣り受けの軸が入り強度を稼ぐ。これもまた自分で製作するとなると大変な部品である。

釣合梁受け、バネ吊受けは丸棒で、すでにダイスによるネジきりも済んでいる。その代わりに、バネ釣り受けカバーの外からワッシャーを留めるための割りピン穴をあけなければならない。このワッシャーはなくても受けカバーがあるため問題ないが、実機も同様にワッシャーが割りピンで留められているので、見栄えも考えてつけておいたほうが良い。小さな丸棒に垂直に穴をあけるのはかなり難しいので、廃材から穴あけ用ヤトイを作って穴をあけた。

バネ吊受け、釣合梁受けのピンは数も多いためヤトイを作って穴あけしたほうが早く穴あけできる。

穴あけ用ヤトイ(6・4・5mm)

バネ釣り受け

釣合梁は鋳物でできており、こちらも大体の加工は済んでいる。釣合梁受けを台枠に組み込み、早速取り付けてみたが、どういうわけか遊びが全くない。これでは釣合梁の意味がない。釣合梁受けの穴あけで失敗したか、それとも鋳物のサイズが不ぞろいになっているかである。寸法を取って確認したところ、穴あけで中心がずれてしまったようだ。

ボール盤による穴あけでは以前から中心に穴があかないことが気になっていたが、調査した結果、4mm前後のドリルを加えるとチャックに振れが出ることが判明した。テーブルの傾きが僅かながらあることは分かっていたが、4mmのドリルを加えたときには目視で確認できるほどの振れがでる。チャックは交換しなければならないようだ。

あいてしまった穴は補正できないので、釣合梁をヤスリで削り、上下高をつめて取り付けた。0.5ミリほど遊びを作り、カタカタと動くよう取り付けた。


釣合梁と釣合梁受け

バネの部品も仮組の状態であるが、バネ、釣合梁がつくと、のっぺりとした板台枠がとてもにぎやかになってくる。
バネ吊とバネ釣り受け 板バネが付いたテンダー車輪

今月はもう一つ加工した。それは機関車とテンダーの間につく「緩衝器」である。このパーツは鋳物による緩衝器受けと緩衝器座、削りだしによる緩衝器頭が送られてきたが、説明書には加工方法などの説明が一切なかった。想像と思い込みで加工したがおそらくこれで問題がないと思う。

緩衝器頭の裏には2本のコイルバネが入るように座繰りが入っていた。バネは長いものが一本だけ入っていたのでそれを金のこで切断して組み込んだ。緩衝器頭は8角形にミーリング加工された物が入っていたが、そのままでは緩衝器座に入らないので、ヤスリでそれぞれの角を削り、楕円形に加工した後、さらに受けのRにぴったり合うよう緩衝器頭をヤスリで削った。単純な部品だったが、加工にはけっこう時間がかかった。手やすりではこれが限界のような気がする。フライス盤が欲しいものである。

 


緩衝器構成部品

緩衝器座にあわせてR加工 緩衝器受けにあわせてR加工

ゴールデンウィークに私の地元、日本平でライブスチームの運転会があったので見学に行った。毎年、日本平ホテルの駐車場を利用して運転会を行っている。(写真を合成したので曲がってしまった!)

こうした運転会では日ごろメールでしかやり取りしていないライブスチーマーにお会いする絶好の機会なので見学に行くだけでもとても楽しい。
今月はさらにもう一つレイアウトを訪問した。ゴールデンウィークの計画で「ユニバーサルスタジオ」と「東京ディズニーシー」とどちらへ行くか嫁さんと侃侃諤諤の意見を交えたが、私が「東京ディズニーシー」を推進した理由は実はここにあったのだ。市川蒸気鉄道公園はディズニーランドからほんの数キロしか離れていない!

残念ながらこの日は運転日ではなかったが、見事なレイアウトだった。環境と創意工夫に満ちた設備はすばらしく、ターンテーブルを囲んで機関車が並ぶ姿はさぞかし見栄えがするだろうと思った。レイアウト部分は公園全体のおよそ3分の1ほどの大きさだが、公園自体の規模がかなり大きく、人も多かった。今度は運転日に訪問したいと思う。「ディズニーランドへいこう!」と言い訳して・・・。