2001年11月    第2回テンダー上回り−A
箱になったテンダー上回りに、さらに炭庫と水槽の仕切り板@をとりつける。その準備として、仕切り板にアングルを組み込む。これは、先月のパーツFGHにあたる部品で、厚さ1.5mmの真鍮板の3辺が10ミリずつフランジ加工してある。水槽側から取り付けるHは全高がやや短い。

穴あけ加工した仕切アングル

水槽と炭庫の仕切板@に加工した仕切アングルを表側2箇所、裏側1箇所とりつける。@のフランジと仕切りアングルHのフランジはお互いに干渉するので、@側のフランジを10mmずつ切り取り、きっちり取り付け箇所に収まるようにする。

さらに先月仮止めした前板Eを再度外し、水槽と炭庫の仕切板@に取り付け箇所を確認して取り付ける。ここもフランジが干渉するので、しかるべき箇所に10mmの刻みを入れておく。こちらは前板側に刻みを入れた。取り付けは、2.6mm真鍮皿ビスを使用した。皿もみが面倒であるが、外観に影響を与えるところではないので、コストを抑える目的もありセントラル純正皿ビスを使用した。水槽と炭庫の仕切板@に全ての部品を取り付けた写真が以下の写真。一応、側面板BCと接合するフランジ面は平ヤスリで平らに削っておいた。磨いた為フラッシュで見えにくくなってしまった。

 

仕切板@にFGHおよび前板Eをビス止め

前板Eに仕切板@をつけたまま、箱型になっているテンダー上回りに戻しCクランプで仮止めする。各部の平行度、直角度を修正して、まずテンダー後部部分からビス止めする。この状態が写真下。先月取り付けた側面板BCの裏打ちDに仕切板@が引っかかるので、固定は比較的楽であった。しかし細かいビス止めはやはり面倒だった。

クランプで支持して後部をビス止め

かなりテンダーの形状に近づいた。しかし重さが半端ではない。下回りとドッキングするといったい何キロになるか想像もつかない。

続けて水槽と炭庫の仕切り板@を側面板BCとビス止めする。単純な作業の繰り返しでやたら時間がかかる。炭庫部分で斜めに下がるので側面板の表裏をよく確認しながら、罫書き、穴あけを繰り返した。今月の作業で一番時間がかかったところはここだったが文章にするとわずか2行になってしまう。

炭庫部分のボルト止め

水槽と炭庫の仕切板@を取り付けると、水タンク部は仮止めながら密閉される。本来なら、密閉する前にハンドポンプ取り付けネジや、水ヌキ用排水プラグ、台枠接合ボルトを水槽側から取り付けておかなければならないが、外観を構成するパーツがすべて加工、取付けできるようになった状態で一度すべて分解する計画なのでこのまま仮組を続ける。

この時点では仕切りアングルがテンダーから飛び出している状態になるのでさらに増炭部分を取り付ける。過去配布の機関車は長方形の旧タイプのテンダーだが、2段ランボードモデルは、帯材に裏打ちして、高さを増すようになっている。今回は近代型機関車に見られる前後を斜めに切り落とした増炭タイプにする予定だが思い切って凸型テンダーにしてみるのも個性があっておもしろいと思う。

増炭部分の帯材は高さ35mmで、裏打ち用帯材は高さ20ミリとなっている。裏打ち板には、テンダー本体と増炭部分にそれぞれ10mmずつ重なるように罫書きをした。さらに増炭帯材をCクランプでテンダーに仮止めし、アングルのフランジと干渉するところを、現物あわせてで罫書きをしておいた。こうしておけば裏打ち板がフランジと干渉するところが分かるので、ビス止めしながらカットできる計算になる。

それぞれ罫書きをした後、増炭帯材に裏打ち板をビス止めする。ここはわざわざビス止めせず、はんだで接合しても良いのだが、リベットに見せかける意味ももたせてビス止めした後はんだ付けした。

増炭帯材に裏打ち板をビス止めしてはんだ付け

両方の増炭部分を取り付け、仕切りアングル部にビスで仮止めした。これで外観上はテンダーの形状になったので、テンダー前板部分を斜めに切り落とした。8620はここの傾斜が緩やかな機関車が多い。写真は梅小路の8630だが、テンダーを大幅に溶接修正しているようで、リベットの数も少なく、近代化されている。

あくまで仮止めだが、テンダー上回りが形状を現した。仮止めなので、まだビスを一部しか留めていない。

8630キャブ周り

テンダーの形状になりました


10月27日・28日の2日間、岡山の一本松ミニ鉄道公園で「秋の大運転会」があり、私は機関車なしで参加した。T-5改は運搬用のケースを製作していないことと、ボンゴの外した3列目シートの置き場所がないため、今だ出張運転はしたことがない。

2000年のゴールデンウィーク以来の一本松だったが、相変わらず美しい景色と優れた設備に加えて、再訪できた喜びで楽しい週末となった。土曜日の夜には飲み会をかねた懇親会がひらかれ、各地のライブスチーマーと夜を過ごすことができた。私にとっては運転会よりこちらのほうが楽しい時間となった。西日本ライブスチームクラブの方々も多数参加されており、今までメールでしかやり取りをしていなかった「安養寺鉄道公園」の中村氏ともお会いすることができた。

このような運転会に参加するといつも感じることだが、初めて会うはずの人にもかかわらず、ずっと昔からの知り合いであるかのような親近感をもつ。話のネタが共通であることは当然だが、この種の趣味に取り組む人柄にはある種の共通点があり、人間観察の場としてもとても楽しい。

美味しい食事をとりながら、テーブルには各人が持ち寄った図面、製作過程を写した写真、加工中の部品などが置いてあり、話に酔い、酒に酔いで至福の時を過ごしてしまった。また今回はライブスチーマーの妻達も多数参加されており、女性陣はちゃんとその場の過ごし方を理解していらっしゃるようでさすがと感じた。

参加した機関車は「一本松ライブスチーム同好会」のホームページで紹介されているので、是非ごらんいただきたい。一本松ライブスチーム同好会は春にも運転会が計画されているようなので、今後の活動にも注目したい。


中川氏の5インチC56が完成直前ということで見学に行った。ボイラーケーシング以外は全てそろっており、そのケーシングもまもなくらしいので、今年中には完成できるということだった。製品の完成度に加えて、細かな工作と技術によりすばらしいできあがりだった。特にキャブの下、第三動輪後ろの配管やランボード周りなどは実に細かい工作が行われている。

ファインスケールということもあり、8620を見慣れた私からはかなり大きく感じた。運転室の幅や、ボイラー径は一回り以上大きく、重連した場合には、スケールの違いが一目でわかってしまうだろう。

眺めているだけでため息が出る。

全 体

キャブ下より

非公式側より前を

テンダー後部