2001年9月 第1回主台枠−A

先月、モーションプレートの取付け穴について記述したが、若干ミスがあったので訂正したい。「穴径は4o」とあるが、再度採寸したところ3.5ミリであった。このサイズであれば台枠にM4のタップを立てることができる。
もう一点は、台枠中間梁を取り付けた場合に穴が重なると記述したが、再度検討した結果ぎりぎり重なる事はなかった。

しかし、ボルトナットによる取り付けが不可能であることは変わりがない。第5回配布の機関車では以下のようになっていた。

@中間梁は鋳物でできていて厚さは10ミリ以上と確認できた
Aモーションプレート取り付け部には逃げ加工があり、裏からナットで止められるように
  なっていた。

セントラル鉄道にこの件を確認したところ、「台枠にネジを立てる方法で対処しようと思う」と返事を頂いた。

以上が現在までの状況。


採寸を終えた台枠を組み立てる。台枠に空いている穴はすべてレーザーカットによる加工である。穴が荒れているので穴径にあったリーマーで軽く仕上げておいた。

他の部品の状況を見て組み立てていかなければならないので、組立てはあくまで仮組である。最初に丸棒で作られている中控えを挟んでボルト止めする。できるだけ平らなところでゆるめに止めておき、すべてを均等に締めこんでいく。ボルトはM6のキャップボルトが付属していたが見栄えも悪いので、6角ボルトに変更した。この中控えも今までの配布のものと比べて、控えの本数が一本少なくなっている。

台枠がはしご状に組み立てられたら、前端梁と後端梁を真鍮アングルで取り付ける。真鍮アングルは両辺とも厚さ3o・15×15で、ミーリングで正確に加工されていた。図面によると台枠側の面は、厚さ4oになっているので、ここも変更されたということになる。強度が弱く変更されたということになるので少々不安になる。

アングルの前端梁側には、あらかじめ取り付けボルト(前端梁は4本・後端梁は3本)用のポイントがセンタドリルであけてある。そのため罫書なしでそのままドリルで穴を開けることができる。説明書によると、前端梁・後端梁にあらかじめアングルを取り付けておき、台枠に仮載せして台枠側の穴をヤトイにしてアングルに穴を開けるよう指示されている。

リベット形状ボルト前端梁・後端梁とアングルを接合するボルトは、頭が丸く削ってある専用のボルトで、取り付けるとリベットで止めてあるように見えて大変見栄えがよい。当然頭にはスリ割もなければ角もない。裏側からナットで締め込む。

前端梁にアングルを取り付け、仮乗せして気がついたが、前端梁取り付け用のふき取りにRがついており、きっちりと前端梁が密着しない。レーザー加工でRがついてしまったものと思われる。ここは、機関車のフロントデッキ部でとても目立つところなので、できるだけ正確に仕上げたいところ。三角ヤスリできっちり角が出るように仕上げた。

台枠ヤトイ

Rを削った後、逆さにした台枠に仮のせ

台枠側の穴径は4oなので、写真の状態で4oのドリルを台枠側穴から通し、真鍮アングルに位置を罫書く。このやり方で罫書をするのが王道だが、今回も穴位置を求めてハイトゲージにより罫書き穴を開けた。結果はバッチリ。これは台枠穴がレーザーカットで正確に穴あけされている為で、もし台枠側の穴も自分で加工した場合にはこう上手くはいかないと思う。

加工の終わった前端梁後端梁を台枠に組み込み、ボルトナットで締め込む。しかし、ここで再び問題が起きた。端梁を固定しているナットと、台枠を固定しているナットが互いに干渉して取付けできない。いろいろ考えた末、ナットをヤスリで削り、厚さを減じて取り付けた。

ナット加工

ナットを削り取り付け(右)

すべてのアングルを取り付けて台枠を組み立てた。

組み終わった台枠を眺めると、どうしてもアングルが華奢にみえる。中川氏の8620をチェックするとやはり台枠側の一辺は厚さ4o(台枠と同じ厚さ)になっており、見た目もがっちりしている。もちろんメーカーがこの強度で問題がないと判断して3o厚×3o厚に変更しているので大丈夫だと思うが、機関車の台枠を接合するアングルはそれだけで、客車の荷重、持ち運びの際の荷重をすべて受けなければならない。テンダー側の台枠アングルについても同じことが言えるが、こちらは、底板と組み合わせて取り付けることでかなり強度が増すので、心配はないと思われる。

急いでも部品が定期的に届く保証もないので、アングルを作り直すことにした。知り合いで金属加工をやっている知人がいるので、外注して製作していただいた。
両辺とも厚さを4oに変更して、材質も鉄に変更。さらに、台枠側の穴はアングル自体にネジをたてて、ナットを使わずにボルトだけで止められるよう変更した。端梁側はそのままナットで止めるが、アングルの厚さが増すことでネジの全長がたりなくなるので、皿モミをして止めることができるように加工した

下記がその新造したアングルの図面である。2個穴があいている面が台枠側になる。

前端梁取付アングル

前端梁取り付けアングル(運転席側)

後端梁取付アングル

後端梁取り付けアングル(運転席側)

台枠側のボルト穴には直接タップを立ててある。このようにした理由は、前端梁をあとから簡単に外すことができるようにするためである。OS・T−5も、端梁は完成した後も簡単にはずせるようになっており、弁を抜取ってメンテナンスするときなどはシリンダーを外すことなく前からバルブを引き出せるのでとても楽である。
今後前端梁には、カプラーや、エアホースなどの装飾を付けなくてはならないので、それを考えてもメリットは大きいと思う。

アングル取付

新造したアングル

完成したアングルを使用して再び台枠を組み立てた。台枠側の止めナットが無いのでずいぶんすっきりとしたが、見た目の剛性感も申し分なく、がっちりと組み立てることができた。

後端梁取付

後端梁取り付け

というわけで

今月はここまで。