2001年1月    塗装・角型ドーム
台枠を組み立てたが、軸箱系のパーツには破損が見られるので、部品が届くまではケーシングの塗装や角型ドームの製作を行なうことにした。まず最初に取り組んだところは煙室戸。以前ナンバープレートが取り付けられていたようで、直径5ミリの穴があいている。これを穴埋めし、全体を磨き、塗装を行なう。

煙室戸穴

穴埋め

クラブの工作室で旋盤を借りて穴埋め用のプラグを真鍮丸棒からで削りだして製作した。初めて旋盤を使用したがとても楽しい工作機械だった。プラグを裏から圧入してさらに念のため車用マフラー穴補修パテで覆う。耐熱温度700度まで問題ないようなので、実験もかねて使用してみた。表側は車用パテで表面を整形して穴のあとがわからないように削る。ためしにストーブで焼いてみたがこちらも全く問題がない。車用補修パテはエンジンルームに使用することが前提で作られているものが多く、たいていの場合は熱にも強く、耐久性もよい。

煙室全体は耐熱塗料で塗装した。福知山のイベントでみたC57がとても良い色をしており、この塗料を使用したかったが、簡単に手に入りそうもないのでやむを得ず一般的な光沢黒を使用した。

表面に残っている塗料を削り、ペーパーで磨いて塗装した。塗装が終わった後煙室戸ハンドルとハンドレールを磨きだして完成。ハンドレールノブは動輪舎から購入した。動輪舎では、動輪やシリンダーなど鋳物を中心に多数のラインナップがあるが、特にボルトや継ぎ手は充実している。私はハンドレール、ボルト各種、継ぎ手、網目板をついでに購入した。

完成

塗装・穴埋めが終了した煙室


次に角型ドームを製作した。機関車を先月のプランどおり産業用入替え蒸気機関車に仕立てるため、B20と同様のドーム形状にする。T5を小型入替用に見せるためには、カプラーや、ステップ、手すりといった小物をスケールどおりに製作して機関車本体を小さく見せる工夫が必要である。CADで大体の大きさと寸法を確定したあと、「曲げ」を考えてやわらかい1ミリ厚の銅板を購入した。材料について静岡では小売をしてくれる鋼材屋がなかなか見当たらず、インターネットで鋼材を注文する羽目になってしまった。

糸鋸で寸法どおりに切断することは至難に思えたが、使用しているうちにすぐ真っ直ぐ切ることができるようになった。平ヤスリを併用することで、糸鋸で裁断したとは思えないほど正確な直線で裁断できる。しかし、前後の長さ20センチの銅板をいかにして正確に曲げるか思案に暮れた。通常では万力2台とアングルを利用して曲げるというやり方が常套となっているが、万力はまだ持っていないということと、それを据えつける工作台もないため、やむを得ず一度全部切り離した上ではんだ付けする方法をとった。

裁断した板材はアングルで組み立てることが理想だったが、注文したアングル材が届くまで時間がかかる。やむを得ず2センチ幅に裁断した帯状の銅板を角型ドームの形状に曲げ、そこへ外形を整形する銅板を貼り付けていく方法をとった。すべてを貼り付けた後妻板をはんだ付けする。これにより「曲げる」という作業は2センチの銅板帯だけで済むことになり、比較的正確で簡単な作業になる。

B20のドームをよく見るとケーシングに接する部分は折り返してある。しかしここを表現すると私の工作技術では返って隙間を強調することになりかねないので、あまりこだわらずフリースタイルらしく折り返しなしで製作した。

形が出来たところでヤスリで整形後、筋彫りとボルト植えを行い塗装した。最後に遊びで実物の蒸気機関車運転台屋根にみられるクレーン用のフックを取り付けた。

 

はんだ付け 完成
帯材にはんだ付けを終了したところ 完成した角型ドーム
このように、帯材に板を貼り付けていく方法の場合、少しづつのずれがねじれを生んでしまう可能性があり、このドームも当然のことながら少しのねじれを生じていた。しかし、ボイラーケーシングにはぴったりフィットしている為、よしとした。レベルの低い工作で公開することが非常に辛い。
さらに、火室部分のケーシングも塗装した。火室のケーシングは熱による錆と、汚れがひどく一度洗浄した後錆を落とし、パテ整形とサーフェイサーで表面を整えたあと塗装した。

水研

下塗り 完成
            研ぎ、パテ盛り             サーフェイサー                       完 成 

一度使用して病み付きになってしまった旋盤を利用してもうひとつ小物を製作した。T5オリジナルはリンク式カプラーで、機関車の前後台枠にはバッファーの穴があいている。穴のサイズは13ミリなので、この穴を利用して中国地方の蒸気機関車に見られた台枠埋め込み式のテールライトを設ける。実例では梅小路蒸気機関車館にあるC621がこのタイプのテールライトを持っている。実車とは程遠い出来になりそうだが、穴があいたままでは見苦しいので利用する。

譲り受けたケーシングにダミーの安全弁がついていた(電動機関車だったので・・・)ので、これを材料に旋盤で削りだし、穴をあけた。

 

削りだし 仮付け
まだ、削っただけで、レンズ製作や塗装を終えていないが、やや小さかった気がする。今後仕上げていく中でつづきをリポートとしたい。

私は、まだライブスチームの製作に必要な工具はほとんど持っていない。タウンページで中古工作機械屋を探したところ、隣の清水市に中古工作機械屋が見つかった。このお店は展示場がある(といっても倉庫に並んでいるだけ)ので実物を前に道具を吟味できる。

散々倉庫(展示場)をあさって掘り出し物をたくさん見つけた。まずノギス。15センチのもので、メーカーはミツトヨ。超一流品である。これがなんと1000円。角ヤスリ、平ヤスリ、半円ヤスリはただ。ドリル刃は、1.5から6ミリまでコンマ1づつのセットが1000円。スコヤ大小、トースカンは1000円。他にも小物を購入し全部あわせて4000円近くで揃えてしまった。けっきょく、平ヤスリは曲がりが発覚してあまり使い物にはならなかったが、その他のものは全く問題がなかった。

旋盤やフライス盤も多数あり、工業用の超大型ばかりで私が使うにはいささか大きすぎるものばかりだったが、手ごろな大きさのものが入荷したら連絡をしていただけるよう手配した。

後から知ったが、私が購入したヤスリは展示してある工作機械の手入れに使っていたもので、売り物ではなかったらしい・・・。社長曰く「初売りだからいいよ、もっていきな」だった。


先日、1月20日の寒波により、日本庭園鉄道も雪景色となった。クラブの1番ゲージ会員は朝から雪の中を走らせるというとても趣のある遊び方をしていた。5インチの機関車で雪景色を走るのも楽しそうである。(寒いだろうなあ・・・)
庭園鉄道雪景色 アスターD51
だいぶ融けてしまった後の写真です

最後になってしまったが、来月から8620の配布が始まるのかどうか・・・・