オイルポンプ


オイルポンプはOSから購入する予定だったが、私にとっての一号機、T-5からの廃品が回収できたのでこれをオーバーホールして使用することにした。2001年2月以来のことである。まるで鮎のようなポンプだ。

T-5の復活記でも紹介したこのポンプ、どういうわけか当時修正したケースがまたひずんでしまっている。これでポンプ本体の動きが悪くなっているようだ。

今度はさらに詳しく調査した。

 

  1. 吐出管穴位置とラチェット機構を取り付けるケーシング穴位置がずれている
  2 .ラチェット機構の主軸が曲がっている
  3. バネ吊の穴位置がずれている
  4. ハンドルがない
これらの原因を解消するために修正する。
1.が原因となって、ポンプ下部の吐出管を送油管と締め付ける祭にケースを変形させている。何度ケースを修正しても取り付けるたびにひずみが出てしまうことがわかった。バネの固定ネジの位置も微妙にずれており、これがラチェット機構の周り止めを偏磨耗させる原因になっている。


洗浄前・・・

まずはケーシングを綺麗に洗浄した後、穴位置を小径ヤスリで修正した。長穴加工である。

さらにポンプ内部の部品も洗浄した。2.の主軸は作り直すことも考えたが2.3mmのダイスを持っていないので、曲がりを旋盤に咥えてハンマーで修正した。まあ使用には耐えるだろう。

バネ吊穴は別途ばね吊ハンガーを取り付けることにした。


コッペルのオイルポンプをどこに取り付けるかいろいろ考えたが、メンテナンス面から右側サイドタンクの前に設置することにした。動力は加減リンク上側から梃子で駆動する。

ポンプ本体がむき出しになるので、できるだけ見栄えをよくしなくてはならない。「模型蒸機の部屋」の渡邊氏がとてもステキなオイルポンプを工作されているのでこれを参考に外見を加工することにした。

まずはハンドルである。渡邊氏とほとんど同じ作り方だが、材料は廃材を使い、さらにエンドミルではなくボール盤で作ったのでやや格好が悪い。材料というのはコッペルのシリンダー裏蓋パッキンの穴を開けるときに使用したジグである。すでにインデックスで穴位置があけてあったのでこれに8mmのドリルで穴を掘り、旋盤で加工した。

ディスク部分

リング部分

これらを組み合わせて銀ロウ付けし、後から突っ切る。形状を見ても分かりにくいと思うが、上右がハンドルの枠部分になり、上左は太いスポーク部分になる。組み合わせたところの写真を撮り忘れた!

銀ロウ付けした後は所定の厚さまで削り込む。手回しハンドルをつけて完成。


完成したハンドル

さらに蓋も作る。蓋はヒンジで開閉することも考えたが工作が大変なので取り外し式にした。ケース内法寸法で真鍮板を切り出し、もう一枚外周寸法で真鍮板を切り出し、取っ手を取り付けてはんだ付けした。

蓋表

蓋裏

これらを組み立てて完成。ケース外につけてあるバネハンガーは真鍮板から切り出したもの。


完成・・・というより修正