FE107用マトリックススピーカー
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新居に居住するようになってオーディオに問題がでたので新たにマトリックススピーカーを制作した。問題とはスピーカーの設置スペースのことである。今まではテレビを中心として左右にスピーカーを設置できたが、現在はテレビの片側にベランダへの出入り口があり、両側に設置できなくなってしまったのである。 この問題は住宅設計の段階から分かっていたが採光の関係でそうならざるを得ず、マトリックススピーカーを作ることで対応しようと考えていた。長岡鉄男氏のMX-2マトリックススピーカーである。 テレビの直下にスピーカーを設置しなければならないので、ユニットは防磁型を使わざるを得なくなりやや高価なFE107を使用した。マトリックススピーカーの名前の由来は、その結線にある。ユニットを3個使用しそれぞれの配線をマトリックス結線するのである。これによりひとつのスピーカーでステレオ・サラウンド効果を発揮するというものである。 実はスピーカーは一年前にできていたがHPにアップする時間がなかったため放置されていたものである。以下紹介する。 |
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マトリックススピーカーの特徴はその結線の方式にある。まずは下図面を見ていただきたい。 | |
結線図 |
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図のようにユニットは3個使用する。L-Rのスピーカーは逆相直列接続になっており、その中点からセンタースピーカーのプラス端子に入り、マイナス端子はアンプのマイナス端子につながれる。図ではRチャンネルの一端子をしようしているがこれはLチャンネルでもRチャンネルでも問題ない。LとRの両方につないでしまうとノイズが出ることがあるのでどちらか一方の方がよい。 つづいて板取図である。
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板取図 |
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部品点数が少ないので工作はとても簡単である。しかも一つだけ作ればよいので忙しい人に向いているかもしれない。面倒なので完成図面は割愛したが、下の写真でどこにどの部品が付くかすぐに分かると思う。 スピーカーの穴はいつもホールソウで空けている。ボール盤はウッドクラフトでも使える便利な機械である。加工はけっこう怖いが! |
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前面から |
後面から |
この後、グラスウールを対面の片方に貼り付けて蓋をする。結線は図面のとおりだが、なかなか面倒なはんだ付けだった。 ↓完成。真ん中のユニットだけ色が白いのは、それだけが新品だからである。左右の2個はオークションで中古を買った。FE107は防磁型なので高価。コンパクトに収まるのでAV用としては便利である。 音についてだが、分離はすばらしいものがあり、臨場感十分である。ただ、繊細な音ではないので、やはりAV向きというところか。5.1インチサラウンドは人気があるが、某氏のお話では「5.1インチサラウンドはオーディオメーカーが今まで2個しか売れなかったスピーカーを5個売るための戦略」とおっしゃっていたが、なるほど納得できる気がする。 |
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現在このスピーカーを使って一年になったが、とても安定した音である。工作も簡単なのでお勧め。
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