BS-89 小型ブックシェルフ型バスレフ・スピーカー製作


本屋に立ち寄ったときに眼にとまった本、「世界でただひとつ自分だけの手作りスピーカーをつくる/長岡鉄男」を購入してしまいついつい製作してしまった。思いつきですぐに工作でき、わずか数日で完成するスピーカーの工作は楽しいものである。
どういうわけかスピーカーを作るのは毎回年末になる。D-105も年末だった。

今まで製作したスピーカーはバックロードばかりだったので極ノーマルなバスレフを一つ作ってみることにした。

使用するユニットはフォステックスFE103Eである。径10cmで定番の商品である。材料は3×6合板の半分で一セットできてしまうので、2セット分材料を切り出した。一セットは自分用、もう一セットは友達の新築祝用である。

それではいつものように板取から

板取図(3×6シナ合板)

続いて組立図。

組立図

組立図の番号は板取図の板番号。内側には対面する板の片側(7,3,4,)にグラスウール等の吸音材を貼り付ける。(下写真)

後は塗装して側面板を貼り付け、配線・ユニット取り付けで完成!今回もつや消しクリヤー仕上げにした。

バスレフは板の枚数が少なく、構造も簡単なので楽勝だと考えていたが、実際はそうでもなかった。
まず大きさが小さい割りに板厚が15mmあるので隙間なく工作することが困難だった。また、板番号4番の板は天板と底板の間に挟まるので板厚誤差をもろに受ける。
カンナで5を段つき加工して調整したが、工作時間の80%をここに費やしたというほど難しい作業だった。この工作を楽にするには4の板を底まで伸ばし、5を板厚分短く取って前面に逃がすようにしたほうが良いだろう。

音質の面からは角を落として仕上げたほうが良いのだが、私は角が出ているほうが好みなので毎回しっかり角を出している。

音については、いかにもバスレフという音だった。癖がなく、ややハイあがりだった。マルチなスピーカーなので今後メインで使っていこうと考えている。低音についてもこのクラスとしては優秀だと感じた。さすがにD105と比較すると差がでるが、D105はユニット自体特別なものなのでしょうがないだろう。

それにしてもたった8cmのユニットを一発取り付けただけのD-105のほうが、10cmのBS-89よりも低音が出るということが不思議である。